インターパック2017 視察レポート「大野」No.2

Interpackは3年に一度、ドイツのデユッセルドルフで開催される世界最大の(と言っても差し支えないかと思います)パッケージ関連産業の総合展示会で、今年は5月4日から10日までの日程でした。全体像や詳細は別途書き記す予定ですが、そのなかでもかなりのスペースを割いて章立てすることになるHPに関する部分を、ラフではありますが速報の形で報告します。

いわゆるデジタルプリント関係のメーカーが集まったHall13の中で最大のスペースを占め、DRUPAなどでもお馴染みのアグレッシブな集客と、大手ブランドとのコラボをアピールするなどの手法で圧倒的な存在感を示していたのがHPです。前回、2014年に初めて出展した時と同じ面積のブースだそうですが、集客は大きく伸びて、DRUPAなどと同じく、その中を歩き回るのが困難な状況でした。


Indigo20000のプロダクトマネージャーである町川肇氏によれば:

  • 出展した全てのプリンタに「後加工機」をセットして、実際の使用シーンを再現した(初めての試み)
  • 出展した150点(種類)のサンプルは全て実際に商業化されている商品の実物である

とのことで、単にプリンタを並べて、速度や画質を説明する、あるいは搭載ヘッドの優秀さを強調する展示方法から抜け切れていない多くの日系企業は、学ぶところが多いのではないかと思います。

Indigo20000のプロダクトマネージャー 町川氏(在イスラエル)
全ての出展機に充填機など後加工機を連結
世界のトップブランドと提携して存在感をアピールするのはもはやHPのお家芸(写真はDRUPA2016)

Indigo20000による軟包装フィルムのラミネートはDRUPA2016で初展示され、その時はDRUPAで毎日発行される「DRUPA Daily」というニュース誌を、デジタルプリントされたラミネートパッケージに封入して即日配布するというデモをやっていました。通常軟包装のラミネートは接着に2~3日かかるため即日は使用できないところ、液体現像はアイソパーという溶剤を使用することを活用し、即接着する技術を開発したとのこと。

これを食品の軟包装に応用し「Pack Ready」というブランドをつけて展開するとのこと。今回は、DRUPAと同じく、デジカメで撮影した画像を貼り付けた軟包装パッケージにキャンディを詰めて即日配布し、その時短効果を訴求していました。このあたり、包装関係者には常識でも、事務機器系などのメーカーには知識が乏しいところで、「水系インクでフィルムにプリントできる」という訴求で終わりがちなところです。プリントしたものがその後どう扱われるのか?までを見通して技術を作り、それを訴求する・・・HPのやっていることは言われてみれば当たり前のことのように思えます。

毎日のイベント写真を軟包材にプリントしラミネートして、従来技法では難しい「時短(即日性)をアピール」

もうひとつの訴求は「レトルト耐性」。レトルト食品は、100度で沸騰する熱湯や電子レンジに何分も投入されるため、厳しいテスト基準があるようですが、これが可能というのは技術の高さの訴求になると思われます。

(左)電子レンジを持ち込んで「レトルト耐性」を訴求
(右)Pack Ready の技術解説パネル

レトルトといえば、凸版印刷はHall11に自社のバリアフィルムを展示、ここでも「Microwavable」なる造語?で電子レンジに投入できることをアピールしていました。HP、もTOPPANのロゴの入ったレトルトパックを展示、協力関係を相互にアピールしていました。

ちなみに、このIndigo20000のPack Readyは日本では初めて凸版印刷に導入されることが決まっているとのことです(未確認ながらそのようなプレス発表があったとのこと)

(左)凸版のブース 
(右)バリアフィルムを展示
(左)学校では習わない英語「Maicrowavable」(笑) 
(右)HPとの協力関係のダブルロゴ
プレゼンも盛況
展示サンプルは全て実際に販売されている商品とのこと
お、DRUPAのCEOのSabine Geldermann 女史がIndigoのトップAlon Bar-Shanyと・・・
DRUPAのCEOがHPのIndigo事業のボスのAlonにインタビューを・・・
2015年 The IJCにてザビーネ女史と大野

HPのブースで面白い光景に出くわしました。なんと、DRUPAのCEOであるザビーネ・ゲルダーマン女史が、HPインディゴの事業部長であるアロン・バルシャイニィ氏にインタビューしているのです。サビーネ女史は、ドイツ人女性としては小柄ながら、どんな質問にもクリアな受け答えをする、いかにも「出来るドイツ人キャリアウーマン」という感じの人で、あのDRUPAのCEOとして君臨しているのも納得できる人物です

思えば2016年に開催されたDRUPAは次回開催を慣習通り4年後の2020年にするか、あるいは3年後の2019年にするかで迷走しましたが、結局2020年に落ち着きました。Interpackは3年に一度の開催で、次回は2020年!DRUPAとInterpackが、同じ年に同じ場所で、ひと月違いで激突するのです。

HPはDRUPA2016で、Hall17を占拠して、かつてのHeidelbergを凌ぐ存在感を見せつけました。「デジタル印刷の次の出口はパッケージング!」と多くの関係者が予想するなかで、そのDRUPAとしては2020年に、HPがDRUPAとInterpackのどちらに手厚く予算とパワーを配分するのか?それが気になって仕方がないことでしょう。

しかし・・・それは他人事ではありません。貴方の会社はどちらに、どのように予算とパワーを配分するのでしょうか?まさか、部下や現場任せではないでしょうね?

著者紹介
OIJC(Ohno Inkjet Consulting:大野インクジェットコンサルティング)  
代表 大野彰得(おおのあきよし)

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