顧客体験のギャップ (WhatTheyThink?)

技術の進化は、消費者の購買プロセスを完全に変えてしまった。製品を店舗の陳列棚で探すこともできるし、ネットだけで購買を完結させることもできる。または、購入を決めるまでネットと実店舗両方で検討することもできるであろう。この記事は、マーケターは、顧客がどこにいようと彼らとつながる必要があることについて取り上げる。

サマリー

  • カスタマーコミュニケーションマネージメントについて北米の大手企業の経営層に聞いたところ、顧客体験の改善が最上位にきた。
  • InfoTrendsの調査によると、顧客体験を強化するための最善の策は、データを起点とした(データドリブン)パーソナライズと、カスタム化された特典提案の改善であるという。
  • マーケティングサービスの提供会社が適切なツールを用いれば、企業のマーケターが伝えたいことと、消費者が欲しているエンゲージメント(繋がり)のギャップを埋めることができるだろう。

マーケターは適切な顧客体験を提供したいと思っている

今日のマーケターは顧客体験を改善しようと真剣に取り組んでいるが、悪戦苦闘している。これまでは、消費者が購入にいたるまでのプロセスは、直線的であった。消費者は、DM、新聞広告、テレビCMを見た後、店舗に行って購入するという至って単純なもの。しかし技術の進展は、消費者の購買プロセスを完全に変えてしまった。製品を店舗の陳列棚で探すこともできるし、ネットで購買を完結させることもできる。または、購入を決めるまでネットと実店舗両方で検討することもあるだろう。今日のマーケターは顧客がどこにいようと彼らとつながる方法を探さねばならない。

2015年にInfoTrendsは「カスタマーエンゲージメント技術、北米市場の状況」という調査を実施。北米の大手企業400人の経営層にカスタマーコミュニケーションマネージメントにまつわる最優先事業目標について質問したところ、以下の表の通り、顧客体験を改善することが最上位となった。

カスタマーコミュニケーションマネージメント(CCM)の事業目標
CCMに投資する際、達成したい最優先事業目的は何ですか?


なぜ顧客体験が重要なのか?

顧客の記憶に残るような体験を提供することは、たやすいことではない。エンゲージメントとロイヤリティを促す差別化された顧客体験を構築するためには、戦略と技術を慎重に連動させないといけないからだ。賢いマーケターは、良質なコミュニケーションとエンゲージメントを消費者に提供すれば、ROIを改善できると既に学んでいる。Forresterの顧客体験指数に掲載されている優良企業の2010~2015年の年間平均成長率は17%。一方、指標に掲載されていない企業の成長率はたったの3%なのである。


顧客体験の中核にあるのがパーソナライゼーション

良質な顧客体験を実現するためのハードルが高いのはなぜなのだろうか。消費者が多数のチャネルでこれまでないほど大量のメッセージを浴びさせられている中、マーケターは、レレバント(関連性の高い)なコンテンツを伝えなくてはならないからだ。InfoTrendsが実施した「2015年度カスタマーエンゲージメント技術、北米市場の状況」の調査によると、顧客体験を改善させるための最良な戦略は、データを起点とした(データドリブン)パーソナライゼーションとカスタム化された特典提案だという。

パーソナライゼーションを良くすることが顧客体験改善の肝
貴社はコミュニケーションに関連した顧客体験をどのように改善しとうとしているのでしょうか?


パーソナライゼーションのギャップ

2015年10月に出版された「2105年度コンテクチュアルマーケティングの原則」と題したForresterの調査では、マーケターの91%がパーソナライゼーションの価値を理解していて、今後数年間、パーソナライゼーションを通じて顧客との関係を改善していくことを優先的に計画していくという。レポートによると、マーケターの殆どが、簡単なセグメンテーションで終わらせてしまっていて、本当に個々の顧客にカスタム化されたメッセージを伝えるにはいたっていない。顧客は高度なパーソナライズオファを期待しているにもかかわらず、マーケターの半数以上(66%)が、属性データをもとにターゲットへのコンテンツの特典提案を作成している。残念ながら、これではブランドを差別化するには十分とはいえない。マーケターはパーソナライゼーション戦略を再検討する必要があろう。パーソナライゼーションの鍵となるのは以下の通りである。

  • レレバンス(関連性): コンテンツが顧客の現在の興味と趣向にマッチしていて、カスタム化されている
  • 適合性: コンテンツが顧客のリアルタイムの行動、意思、趣向にもとづいてパーソナライズされている
  • 利便性: コンテンツに対して簡単に反応しやすい
  • 頻度: パーソナライズされたオファやコンテンツは顧客にあった頻度で配信されている
  • タイムリー: 顧客がブランドとエンゲージ(取引)したいと思ったときにコンテンツを提示している。
  • 一環性: コンテンツが全てのチャネルにおいて一環性が確保されている

Forresterのレポートはよく使われるチャネルにおいてのパーソナライズオファやコンテンツの殆どは、的をはすしていると指摘する。消費者は、メール、DM、SMS、ウェブサイトでの製品レコメンドなどよく使われる主要チャネルでのパーソナライズ体験に満足していないのだ。

上位チャネルでのパーソナライゼーションオファやコンテンツは的を外している
以下のチャネルで受け取る特典提案やコンテンツは、どのくらい関連性があり、パーソナライズされていますか?


マーケターのギャップを埋められるか?

今日のマーケターはこのパーソナライゼーションギャップを埋めるべく有効な戦略を求めている。顧客とのエンゲージメントをもっと効果あるものにするためにパートナーを必要としているのだ。まず、高度にパーソナライズされたメッセージを確実に伝えることから始めないといけない。InfoTrendsは2015年に「ミクロからメガまで:ビジネスコミュニケーションのトレンドMicro to Mega: Trends in Business Communications」と題した調査を実施した。883人の大手企業の経営層にマーケティングサービスにおいて、どのパートナーと手を組んだかと質問したところ、印刷会社が最上位に上がったのである。印刷に携わる者として、ますます拡大していくパーソナライゼーションを支援するための能力を増強すべきであろう。

社外のサービスプロバイダ
過去12ヶ月でマーケティングサービスにおいて利用したサービスプロバイダは以下の内どれですか?


適切なツールを用いれば、印刷会社は、企業のマーケターが伝えたいことと、顧客が企業にどう接してほしいか、両者間のギャップを埋めることができるであろう。それを可能にするための明確な設計図はないが、印刷会社が成功するためのポイントは以下の通りである。

  1. 戦略を立てることからはじめる。お客様の組織が何を達成したいのかという目標と、何が事業を動かす原動力となるのか、を把握する。
  2. データを把握する。アカウントのプロフィールデータ、ロイヤリティプログラムデータ、属性、郵便番号、地理的属性、などお客様のあらゆるデータの棚卸しをする。
  3. 市場にあわせたメッセージのマッピングをする。 データをセグメント化し、購買者の個々のペルソナを作成。メッセージと特典提案をターゲットごとに合わせていく。消費者は、自分特有のニーズ、又は、企業とのこれまでの関係に沿った、クーポン、特典、やイメージを欲する。ペルソナを明確化することにより、印刷会社はマーケターと一緒に、何を言うべきか、どこで言うべきかを共に考えることが出来るのだ。
  4. クリエーティブは重要!想像を掻き立てる事は、盛り込まれる情報同様に重要である。想像を掻き立てるには、特典提案からのサプライズとコンテンツとメリットがうまく調合されている必要がある。全てのチャネルが常にオン状態にある中、消費者の注意を引くのは益々難しくなっている。印刷会社は、クリエーティブを用いて、複数にまたがったチャネルを切れ目なく顧客と対話できるよう、マーケターの手助けをすべきだ。
  5. テスト、測定、モニター、そして結果を報告する。戦略を明確にすれば、印刷会社は、マーケティングの各種目標に対して、その結果を報告することができるだろう。目標は必ずしも売上げに直結しなくてもよい。ブランド認知や、口コミを増やすなどでも良いだろう。クライアント企業が抱える目標に対して、テスト、モニター、そして測定し、継続的にその結果を報告することが欠かせない。


まとめ

今日のコミュニケーションは、カスタム化が必須である。消費者が、自分に関連性の高い(レレバントな)情報をもとに、企業とエンゲージ(取引)することを望むからだ。カスタム化されたコミュニケーションを行うためには、マーケターは、技術、時間、リソース面で頭を痛める。だからこそ、データを起点とそるクロスチャネルのコミュニケーションに大きなビジネスチャンスがあると、印刷会社は認識すべきだ。それを実現するための適切なツールとスキルに投資すれば、印刷会社とクライアント双方によい結果をもたらすだろう。

 

 

  

whattheythinkmini
By Barb Pellow
Published 2016年10月27日
原文 http://whattheythink.com/articles/82845-customer-experience-gap/
翻訳協力 Mitchell Shinozaki

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