Fenske Media社が顧客体験にリアルタイムのワントゥワン動画を導入(WhatTheyThink?)

長い間、クロスメディア、マルチチャネル、オムニチャネルといった事を話題にしてきた。ここにおいて、全く新しい顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を、あらゆる印刷会社が利用可能とする、新しい技術が出現した。この記事ではFenske Media社がいかにリアルタイムのインタラクティブな動画を活かすことにより、エンゲージメントを284%まで増加し、クリックスルーレートを80%に向上でき、かつ印刷物を増加させることが出来たかのをご紹介する。

AT&T社がSundaySky社とのパートナーシップでパーソナライズされた動画の請求書の記事を投稿した際から、3年間が経った。あの時は、現在でもそうであるが、画期的なソリューションであった。XMPie社などのソリューションが、マルチチャネルのキャンペーンの要素のひとつとして、印刷会社が手頃な値段でパーソナライズされた動画を提供する事を目指してきたが、どれもSundaySkyのパーソナライゼーションのレベルを、それもオンザフライで提供できるものは見当たらなかった。Graph Expo展示会でFenske Media社のDave Fenske氏と出会う迄は。

サウスダコタ州Rapid City市にあるこの私企業は1957年にFenske Printing Inc.として設立され、現在は仕事によって50~75人の従業員を雇用している。徐々に業務がデータベース・マーケティングに移行し、最終的に顧客になり変ってマルチチャネルのコミュニケーションを実施するにあたって、Fenske Mediaという名前に変えた。Kenske氏は「物理的に制作する物の85%はDMであり、トータルアウトプットの85%はデジタルである。」と述べた。Fesnke社の主力はインクジェットで、Kodak Prosper 5000 XLI、およびHDインクジェットに対応中のProsper 6000を装備している。NexPress 3600と、8色40”コーティング付きのHeidelbergの両面印刷機も持っている。「オフセット印刷機はDMに利用される台紙を印刷する作業で忙しい」と説明した。

しかし、「規格外」にこそFenskeが市場で輝き、差別化されているところがある。「全国の顧客に対して、新規顧客を獲得するユニークな方法、あるいは既存顧客に対してクロスセル/アップセル、あるいはリアクティベーション(再活性化)する機会を紹介することが課題となる。様々に異なった顧客のグループを見て、大いに時間および労力を、地域的な属性やサイコグラフィク(心理的)の属性のデータ分析に費やした。」と述べた。Fenske社は5年前、DMによってより強化されたワントゥワンのコミュニケーションの強化に投資していたが、ターゲットを絞り、関連のあるDMを送付したにも関わらず、前年比でレスポンス率は減少しつつあった。「原点に戻り、なぜ顧客がレスポンスせず、行動を喚起されないのかという自問をした末、Fenske XM(クロスメディア)と我々が読んでいるクロスチャネルコミュニケーションに辿りついた。」と述べた。

このアプローチの主要なポイントは、顧客に教育をして彼らの新しいビジネス機会を紹介することである。Fenske XMは顧客訪問時にハイパーウォールを利用している。その大型でインタラクティブなビデオウォール(複数のモニターを壁に埋め込んで大きな画像を映す)によって、Fenske XMは顧客に、現在の消費者が活用している全てのチャネル、例えば、電子メール、トランザクション、キャッシュレジスターといったものと、顧客が消費者にアプローチするに利用可能なチャンネル、例えば、電子メール、テキストメッセージ、ソーシャルメディア、そして今や動画、をわかりやすく説明する。「それぞれのチャネルには消費者から異なるレスポンスがくる。マーケティングにとって重要なのは、消費者からの全てのインバウンドとアウトバウンドのコミュニケーションを束ね一枚の絵にまとめることによって、それがビジネスに何を意味するかを、リアルの人間が、リアルタイムにレポートすることである。私たちはそれを達成できた。私たちは、顧客に、現代の消費者はどう変わってきたかを理解する手助けをする。その上、データを深堀し、分析することによって消費者がより分かりやすいオファーを構築し、より効果的にコミュニケーションをとれるように手助けをする。」と説いた。

多くの会社が、このDMに加えて他のコミュニケーションに拡張する事を試みた。しかし、ほとんどが本格なパーソナライズされた動画の世界までのもう一歩に踏み込んでいないのだ。Fenske社の実績によれば、AT&Tのような巨大企業ではなくても、この効果的なコミュニケーションする手段を活かせる事が明らかである。Fenske社の場合には、パーソナライズされた動画まで誘導するリンクが記載されたDMとモバイルのクロスメディアで顧客に接触する事が、顧客が消費者と有意義に結びつく方法であった。これを達成するため、Fenske社はインタラクティブな動画体験を提供しているInfluence Technologies社をパートナーとする事にした。その結果、どんなトランザクション(行為)、あるいはアクション(行動)のデータでも、リアルタイムのパーソナライズされた体験と繋げる事が可能となった。

「これは単に氏名をポップアップさせるだけではない。我々は、顧客の行為をゲーミフィケーションを用いたデシジョンツリーに紐付けた。こうすることによって、顧客のあらゆる段階において質疑を行う事ができ、真のインタラクティブな体験をもたらせるのだ。彼が用いた例は保険業界からであった。「もし私が、貴方が生命保険料を火災保険に加入していると知っていれば、それらを勧めるのではなく、自動車保険を押すであろう。このビデオを通じて、各家庭が何台車を所有しているか、ドライバーの年齢、運転距離を、それぞれの家庭に質問することが出来る。その情報をもとに、年齢、運転距離から、どのプランが月額、あるいは年額がいくらの支払いになるかの査定のテーブルに流し込む事ができる。どのプランがよいかが決まれば、その場で支払いシステムをストアフロントに直接提示し、トランザクションを直ちにクレジットカードか振り込みで処理し、各家庭向けにカスタム化されたプランを実行できる。

それは実際にうまく稼働しているようだ。Fenske社によれば、パーソナライズされた動画を利用することによって、静的なコミュニケーションに比較してエンゲージメントが284%増加し、動画を見た後はクリックスルーレートが80%向上した。「メールと異なり、このプラットホームを用いれば、動画がスタートされた際に、誰がスタートしたのか、どうの質問に回答したのか、“今すぐ買う”のかさらに質問を重ねたのか、が追跡できる。多い時にはひとつの顧客が1カ月に4億回以上の動画再生を行った。」と述べた。

この従来のやり方とは異なったビジネスを売り込むのは、組織の高いレベルを結び付くことから始まる。セールス・サイクルには経営幹部、マーケティング部門、オペレーション部門、それにもちろんIT部門と関わっている。「IT部員はこのシステムを好む。なぜなら、このプラットホームは既存のシステム外に存在しているので、リスクのある技術に対応する必要がない。しかし先ずは、社長の顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス)のビジョンがあってこそ始まるのだ。」

印刷物は依然として重要な一部である。「Influence Technologies社のソリューションはスケーラブル(拡張可能)、測定可能でより高いリフトレート(顧客をより高い段階に引き上げる率)を与えるため、印刷物の量も増加することとなる。まず目を引き、顧客体験に引き込むための印刷物がより必要となる。これが我々の将来である:個人の消費者とのインタラクティブな会話を構成する、高度に洗練された印刷物。」と結論した。

セールス・サイクルを加速するため、最近30人の経営者を集めてワークショップを行った。そこでは既に提案済の物を仕立て直すのではなく、先端のデザインシンキングを中核に据えた。デザインシンキングはデザイナーが複数の課題を解決し、望ましい結果を顧客にもたらす考え方である。デザインの原理を戦略や革新に適用すれば、その成功確率は劇的に向上する。これはApple、コカコーラ、Nike、P&G、その他のデザイン主導のブランドの成功が証明している。

Fenskeは、今後、印刷、デジタルメディア、そしてインタラクティブのすべてを供給できるパートナーが、マーケティングに望まれると考えている。なぜならば、消費者が企業のマーケティングよりも先に行ってしまい、マーケティングは後追いをせざるを得ないという現実があるからだ。Fenske社は新たなビジネスモデルによって業界をリードしており、殻を破る勇気を待ち、全く新しい事に挑戦し、それを業界に共有してくれる事は賞賛に値する!

 

 

  

whattheythinkmini
By Cary Sherburne
Published 2016年10月26日
原文 http://whattheythink.com/articles/82822-fenske-media-real-time-video/

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