drupa 2016: Package ツアー(Part 1) (WhatTheyThink?)

drupa2016はパッケージ専門の展示会ではないが、ラベル・パッケージに心あるビジターにとって多くの物を見て、感銘したに違いない。

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HPのパッケージソリューション Hall17


4年ごとに行われるが、drupa 2016は文字通り印刷と紙についての全てを、30万スクエアの展示スペースの18の巨大なホールで行われた。しかしパッケージしか見ない、というビジターはこのソリューションを見つけるためにずいぶんと歩かねばならなかったに違いない。

イベント主催者のデータベースによれば、650の展示社が2300の後加工、コンバージョン、パッケージ関連の展示を事故なく行った。パッケージはdrupaの主催者がまとめた6つの重要なテーマの1つであり、http://www.drupa-highlights.com/ パッケージの需要は世界的に安定成長しており、ラベル・パッケージの印刷、加工、コンバートを行う印刷会社に大きなビジネス機会があることの証左であろう。

この盛大な儀式をひとまとめにするのは困難であるが、いくつかの重要な事が認められた。

もっとも強力だったものは、パッケージに関わる全てのベンダーがコミットしていた、生産効率の追求である。パッケージの構造が今後もシンプルになることはなく、規制だらけのパッケージの市場が少なく見ても年間4%成長することを考えると、包括的に自動化された製造手法が、印刷会社とコンバーターがそれらの需要に対応する方法であろう。

これが呪文のようなインダストリー4.0、いわゆる物作りにおいて機械同等にデータを重視する“第四次産業革命”が彼方此方で唱えられた理由である。それは生産機が技術的に単独な機械として紹介される機会が減少し、オープンな環境で“プラットフォーム”の上で、他の機器と繋がれ、生産の条件の変更に合わせて変化するものとして紹介されていることにも表れている。

もう一つの重要な点は、ラベル・パッケージ印刷におけるデジタル印刷の押さえられない成長、特にインクジェットであろう。ここでのポイントはデジタルとアナログの両システムがどの程度、それらの利用を分岐する“どちらも出来ないロット数”を減少させられるか、である。オフセットとフレキソにとっては、小ロットをコストを押さえて;デジタルにとってはコストを押さえて大ロットを、ということである。そうすることによって“スィートスポット”はますます見えにくくなる。

これらの要素を念頭において、下記のサマリーをご覧いただきたい。これはプレスコンファレンスと技術デモが集中するdrupaの一週目に取材された。

ボブストBobstは紙器、段ボール、軟包装パッケージ用の機器を120年に渡って製造しており、drupa2016において既に活発な新製品の紹介ペースをさらに上げた。まずは4台のフレキソ印刷機と、ペアのグラビア機が新しいダイカッターと同じく新しい紙器グルワーと展示されていた。

670mm幅のウェブの9色のフレキソ印刷機であるM6 デジタルフレキソ・インラインUV機は、紙器にも軟包装にも適応できる。 “デジタルフレキソ”とはデジタル的に自動で検査、調整、機能の制御を行えることを指す。

ヤレの最小化はCI(セントラルインプレッション)のフレキソ機であるMWシリーズには重要である。MW85Fは850mmの幅で小ロット向き、MW125 は1250mm幅で大きなジョブ向けである。スーパーワイドフォーマットのCIフレキソとしては40SIXが1250mmから2250mm幅まで印刷が可能である。

ボブストの軟包装用グラビア商品を一新するのは、700mm-1300mmのRS6002と800mm-1500mmのRS6003である。それぞれ分速300mと600mである。

後加工には高度に自動化されたメークレディーが早く、時間11,000枚処理が可能なMastercut 106PERを導入した。これは分速700mの折り、グルワーであるMasterfold 110A3と共に、従来のシステムよりも15%早く、10%以上のスループットを実現している。

のぞみC18000

のぞみC18000段ボール用インクジェット機


EFIにとって段ボール印刷は新しいアプリケーションではない。 VUTEkの広幅機で小ロットの印刷あるいはプロトタイプの製作に関わってきた。今、高速、大量の段ボール印刷に、のぞみ、という日本の新幹線にちなんだ名前の機械で、参入しようとしている。

EFI Nozomi C18000は枚葉、UVインクジェット機で段ボールをワンパス、分速75リニアメーターで印刷できる。最大1.8 m x 3 mの段ボールに時間8,100㎡の印刷が可能である。 2レーンとすると、最大80 cm x 60 cmの段ボールを時間9,000枚印刷する事ができる。

解像度は360×720dpiで最大7色、白も可能である。あらゆる板紙からクラフト用紙と三層の段ボールまで、のぞみはスピートを落とさない。インラインのシートプリマーでトップライナーへの印刷も可能である。EFIの子会社のVUTE、Jetrion、 CretaprintとFieryの最新の技術コンビネーションである同機は12カ月以内に設置が開始される予定である。

EFIはハードウェアのサポートを、プロダクティビティー・スイートとよぶ認証されたソフトで構成するワークフローのMIS/ERPで行う。drupaで導入された最新の物に、段ボールの製造の管理向けに、段ボール・スイートがある。パッケージのソリューション提供社として、Eskoは、デザイン、ワークフロー自動化、コラボレーションのソフトウェアでは最も知られている。drupaにおいてこれらを6つの“インスピレーション・ゾーン”としてパッケージの生産ワークフローを展示していた。例えばビジターは、Studio Store ビジュアライザーによって、デザイナーが作ったパッケージを、リアルの店舗全体から棚の個別のパッケージまでシュミレーションできる仮想の店舗環境でテストできるのを見た。またEskoはランダLanda Digital Printingと協業し、そのS10ナノグラフィック印刷機用の紙器ワークフローを制作すると発表した。

Eskoはフレキソのプレートセッターとデジタル制御のカッティングテーブル、さらにはその分野で目新しいものをdrupaで発表している;デジタルカッティングとロボットの合体である。そのデモンストレーションで、マニュアルでのローディングと案ローディングは最大15%のロスタイムを発生させることが明らかとなった。Eskoはロボットソリューションによって、カッターのアップタイムを95%まで高められるとしている。

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Eskoのデジタルカッティングとロボットの高生産コンビネーション


ボトルネックを打ち破ったのは、サードパーティーの産業ロボットー素早い動きで2.8mまで届く機械アームーが複数のパレットから素材をロード、アンロードを行うことであった。テーブルは幾つかのゾーンに分割され、ロボットの順序のいパッケージを切り抜いていく、最大出力を80%高める事ができる。Eskoによれば、このようなノンストップのロボットサポートで、2つのゾーンに分けられたカッティングテーブルは、マニュアル機の4台の生産性に相当するという。

drupaでのデモンストレーションで、Eskoは複数のゾーンをもつKongsberg C24カッティングテーブルのペアを使用した。ロボットの出荷は2017年の1Qをターゲットとしており、数か月前からプレリリースを行う予定である。また堅紙対応とシートフィーダーをKongsbergのCシリーズ、Xシリーズに追加した。

ゴスインターナショナルGoss Internationalの drupaでのニュースは、パッケージラインでのオランダのオフセット輪転機メーカーDG pressとのパートナーシップであった。 GossはDG press社の軟包装向けハイブリッド輪転機Thaloシリーズの権利を買収した。DG press社は引き続き製造を行い、欧州での販売を継続するが、米国、アフリカ、アジアパシフィックにおいてはゴスが販売する。

両社がdrupaでプロモーションを行ったThaloラインはそれぞれ最大20.5″、 33.5″と 41.375″のウェブ幅で構成される。小ロット生産を目標とし、1,312fpmのスピードで、スリーブは16“と30”の可変となっている。インラインのフレキソ塗布ユニットが装着可能で、UVとEBでの乾燥ができる。

このパートナーシップが発表され、ロシアのパッケージコンバーターが初の顧客となった。ゴスの軟包装、ラベルと紙器向けの商品群には、Sunday VPak500と3000、スリーブ可変、ハイブリッドのオフセット印刷機がある。

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パッケージではないが、Highconで生産されたパッケージ装飾


Hall 1を独占しているHeidelberg(一部を後加工機パートナーであるマスターワークMasterwork Machineryに貸し出している以外は)ほど、熱心にIndustry 4.0に注力しているところは無かった。そのIndustry4.0のニュアンスは、“プッシュ・トゥ・ストップ”と呼ぶオペレーションの基本思想にある。これはそのSpeedmaster印刷機がジョブの変更の自動化を、ソフトウェアと進化した制御系で行って能力が向上していることによっている。

ハイデルベルグによれば、このワークフローによってオペレーターの役割は印刷機をモニターする事、必要な際にそれを止める、だけであり他は印刷機が制御するという。 drupaで”プッシュ・トゥ・ストップ“をデモしたのは自動生産機能を搭載した、最新のバージョンのSpeedmaster XL106であった。

ハイデルベルグのSpeedmasters、XL、CD、CXシリーズは枚葉オフセットのラベル・パッケージ向けの商品であった。drupaではインクジェットに参戦した:新発表のPrimefire 106は富士フィルムとの共同開発で、パーソナライズされたパッケージ、その他の商業、産業向けの印刷をターゲットとしている。用紙サイズ750 – 1,060 mmの Primefire 106は最速で毎時 2,500 枚を7色 1,200 x 1,200 dpiで印刷が可能である。同時に提供されたのが Gallus Labelfire 340、8色 UV インクジェットのラベル印刷機でインラインのダイカッター、他の後加工機が利用可能である。

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ハイデルベルグの印刷の未来へのメッセージの一部


Highconはデジタルのカッティングと筋押しの機能を提供し、その技術で壮観な祭り飾りを造って、drupaの北入口を飾り立てた。

この会社は2012のdrupaでデビューした時は1 台のパッケージ向けの機械で登場した。商品ラインは、Beam、Euclid IIIとPulseの3つとなり、ラベル、パッケージ、商業印刷、ディスプレイ、挨拶状、服装、段ボール、POP商品等に特別の効果をもたらす物と進化した。プロトタイプのHigcon Shapeは板紙を切り抜いて3Dのオブジェクトに出来る。

Highconはこれまでの抜き型を使用せず、DART (Digital Adhesive Rule Technology)と呼ばれるシステムでクリーズ(筋押し)を行う。筋押しの後、レーザーで複雑なパターンをオンデマンドで、箱や他の物を小ロットでカットしていく。Highcon曰く、これによってアナログの工程ではコストが高すぎてできなかった、高付加価値のバージョニングとパーソナライズされたパッケージが可能となった。

期間中にHighconはAll Packaging Company (Aurora, CO, and Salt Lake City, UT)が北米でHighcon Beamデジタル・カッティング・クリージングの最初の顧客となったと発表した。

ひとつのホールを貸し切ったもう一つのベンダーがHPでHall17を56台以上の印刷機で埋め尽くし、ラベル・パッケージ市場向けにも大いに展示があった。

この分野での開発にはHP PageWide C500があり同シリーズでは最新のものである。技術の詳細は不十分で、機械は2018年まで発売されない。しかしながらHPが発表したのは、この機械は直接段ボールに印刷が可能で、オフセット品質でなおかつコストがリーズナブルである、ということである。メディアの搬送系は、最も薄いマイクロフルートから最も重いダブルウォールボードまで可能である。印刷は食品に無害で規制に適合した水系のインクである。

さらには34カ国で370拠点でパッケージを製造しているSmurfit Kappaと共同でC500 の開発を進め、同社の欧州での工場に導入すると発表した。

http://whattheythink.com/video/80888-hp-smurfit-kappa–direct-corrugated-digital-print/

HPはラベルの生産をIndigo Digitalコンビネーションプレスというコンセプトでより高いレベルに引き上げようとしている。発売時には、HP Indigo WS6800またはHP Indigo 8000ナローウェブがインラインで、箔、スポットニス、盛り上がりといった加飾ができるユニットとして追加できる。すべてのプロセスが印刷機のデジタルフロントエンドで可能で、SmartStream Mosaicによるバリアブルデザインのスポットニスも制御可能である。

Pack ReadyはHPが開発し特許を保有し、それをパートナーシップにライセンスし、製造と販売を目指すパッケージ・コンバージョンの後加工機のシリーズである。drupaでは、フィルムに印刷されたHP ElectroInkの上に塗布され、耐熱、耐水、耐薬品性を高めるPack Readyコーティングと、高生産性、食品安全性適合のフィルム用ラミネーターのPack Readyラミネーションを発表した。

水系のインクでラベル・パッケージを印刷するのは、出来るときは出来る、出来ないときは出来ない、という具合になりがちだ。紙は水系のインクを吸収して、鈍いイメージになりがちだ。軟包材フィルムはそれを保持して、乾燥は複雑となる。インクジェット技術においては、その問題を事前に液を塗布することで解決する。 drupaでは化学、消費者向け商品の企業である花王Kao がそのフィルムの問題に解決策を見出したという。

花王の答えは、新開発のナノサイズの顔料による水系インクと、液体の洗剤に使われるのに似た分散剤の混合であった。ポリマーがナノサイズの顔料を包み、フィルムの面上に均等に液滴サイズで配置するのだ。 花王によると、この作用で安定して高品質な印刷が、VOCを含まないインクで、フィルムに対して可能となる。

花王は、VOCを含まない、水系のインクでフィルムにインクジェット印刷できるものとしては初めてだという。これはインクジェット用と溶剤を使用しない水系グラビア印刷の5色(CMYK、白)用に処方される。drupaでは花王のパートナーであるシンクラボThink Laboratoryがこのインクを使用したロールトゥロールのインクジェット機を開発したと発表した。Dubbed FXIJ-1 AQUAは600-dpi、540 mm (21.25″)幅で最速30 m/min (98 fpm)である。シンクラボは本年中の発売を予定している。

読み続きはこちらへdrupa 2016: Package ツアー(Part 2)

 

 

  

whattheythinkmini
By Patrick Henry
Published 2016年6月14日
原文 http://whattheythink.com/articles/81037-drupa-2016-package-tour-part-1/

  

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