COVID時代の郵便量激減 WhatTheyThink?

3月初旬に全国でCOVID-19のロックダウンが発生して以来、郵便物の量は激減しています。これはパンデミックが、米国郵政省の既存の問題を増幅しているに過ぎません。
この特集は、米国カタログメーラー協会(ACMA)の副会長兼副理事長であるポール・ミラー氏によるもので、ACMAがカタログ発行者とサプライヤーを対象に行った調査のハイライトも含まれています。

3月初旬に全国でCOVID-19のロックダウンが行われて以来、郵便物の量は激減しています。米国郵政公社の数字によると、マーケティング関連の郵便物ほど大きな打撃を受けた郵便物はありません。昨年同時期の週間通数は平均して30~40%落ち込み、減少のピークは4月最終週で45.4%の減少でした。米国郵政省は、パンデミックが終わっても、この時期の通数の約20~25% は永久に失われる可能性があると推定しています。一方 小包の取扱い数量は、消費者が電子商取引を多量に利用するようになったため、逆の方向に向かって増加しています。毎週の数量増加は昨年同週の2倍近くになることもあり、60~80%増加していることが見られます。ウイルス感染が減少するにつれ(最近の増加前)、マーケティング関連の郵便物の通数の減少は緩和されてきています。例えば、6月22日の週のマーケティング郵便物は24.5%の減少に留まりました。「希望の泉は永遠に湧いてくる…」 それは本当なのでしょうか?

過去の課題の修正

過去の10年間で毎年の通数の減少が増大する中、米国郵政省はCOVID-19の遥か前から壊滅的な問題に直面していました。近年いくつかの法案が起草されたが、委員会から議会に議案として提出されることはありませんでした。これはある種のパターンがあるように思われます。議会ではアメリカの郵便制度の将来について公聴会が開かれ、多数の委員会メンバーからは、国の郵便制度を修正することを真剣に求めています。

議論の中には、米国郵政省が今後の退職者のために行っている、健康保険の前払の義務付け廃止など、具体的な解決策が含まれています。しかし、郵政改革の解決策は、民主党は郵政の組合組織の労働者を支持し、共和党は民営化や政府の関与を減らすことを求め、政党間の典型的な構図で意見が割れています。郵政の利害関係者はしばしば分裂を繰り返し、一部の政党は政治的に非現実的な解決策を打ち出そうと、過剰な主張をすることも多く、何をすべきか混乱を深めています。万一 郵政改革立法に向けた機運が高まっていたとしても、現在ではCOVID-19の経済的救済に集中して仕舞い、その議論は一時的に後回しにされています。また、トランプ大統領は、米国郵政省への資金提供が含まれている景気刺激策法案について、小包料金を4倍に引き上げない限り拒否権を行使すると発言し、これはAmazonとWashington Postのオーナーであるジェフベゾフ氏への脅しとも捉えられ、議論をさらに曖昧なものにしています。

ACMAが4月1日から6月30日までの第2四半期に、カタログメーリング業界を対象に郵便物の発行部数計画について調査したところ、ほぼ58%が発行部数を減らしていると答えました。(後述の「COVID-19のカタログ郵送業界への経済的影響」を参照) 一方、COVID危機の先を見てみると、28%近くがCOVID以前のレベルを超える拡大を予想しており、40%が縮小してCOVID以前のレベルよりも小さくなると答え、さらに15%があまり変化を予想していないと答え、17%が分からないと答えています。

ACMAは、カタログ発行者/オンライン販売業者とそのサプライヤーを代表する業界団体で、パンデミックの影響は商品カテゴリーによって大きく異なっていると発表している。家庭用品、園芸用品、学校用品などを販売する企業は成長している一方、専門店や飲食店、クリーニング店などは大きな打撃を受けています。また 製品の取扱いに関係なく、大規模な実店舗を持って小売販売を行っている全てのマーケティング担当者は苦しんでいます。

COVID後の調整

パンデミックの流行が終息すれば、全てのビジネスは、消費者の購買習慣の変化に直面することになるでしょう。消費者の中には店舗での買い物を完全に敬遠し、オンラインからの買い物しかしない消費者が現れるかも知れないので、それに対応しなければなりません。オンラインで最安値のマスクや手指消毒剤、その他COVIDの必需品を検索する習慣がついて仕舞った消費者の中には、特定のブランドへの忠誠心が薄れて仕舞う人もいるかも知れません。何十年にもわたる郵便料金の値上げ経過を考えると、カタログ利用の多くの経営者は、長期的には郵便が存続できないのではないか、と懸念しています。10年以上も前から、メール便を利用するビジネスの代替えを求めてきましたが、カタログやその他のダイレクトメールの効果に代わるものは何もありませんでした。カタログやダイレクトメールの顧客は、オンラインのみの顧客よりもはるかに忠誠心が高いままです。しかし、米国郵政省の財務が悪化し続けているため、信頼できる広告媒体としての郵便制度に対する信頼は低下し続けるが、一方で、郵便物以外のマーケティングの代替手段を作るための努力(と予算)は増え続けることになるでしょう。

米国郵政省の財政危機を解決することは、郵便を利用している経営者からの信頼を回復することが、非常に重要です。郵政の新しい指導者が就任し、ビジネスと政治の経験が豊富な理事が揃ったことで、ようやくそれらの改革が可能になるかも知れません。逆に言えば、パンデミックの影響で多くの消費者が自宅から商品の注文をするようなったことは、長期的に郵政サービスに利益をもたらす可能性があります。ルイス・デジョイ新郵政局長が米国郵政省をどのような方向に持っていくかを決めるのはまだ早いが、明らかに大統領選からの影響を受けています。

現在の状況がどのように解決するかによって、今後どの程度郵政サービスを利用するかに、影響を与える可能性があります。

調査ハイライト: COVID-19のカタログ郵送業界への経済的影響

2020年4月後半、米国カタログメーラー協会(ACMA)を代表してndp | analytics社は、COVID-19が雇用、財務的な実行可能性、事業の見通しに与える影響を定量化するために、カタログ発行者とサプライヤーを対象にオンライン調査を実施しました。ここではその調査のハイライトをご紹介します。

見通し

カタログ発行者やサプライヤーの約40%が、パンデミックが過ぎ去った後は事業が縮小し、COVID-19以前のレベルよりも小さくなると考えています。この見通しは、大企業(年商2000万ドル=20億円以上)に多く見られ、大企業の46%が、事業が縮小すると考えています。

出典: ndp | analytics 社 ACMA代理

 

発行部数への影響

COVID-19で大規模にロックダウンされた最初の1ヶ月間(3月9日から4月8日)において、カタログ発行者の半数以上が発行部数を減少させたが、45.9%の発行者は発行部数を変更せず、わずか2.7%の発行者が発行部数を増やした。
しかし、パンデミックが続くにつれ、2020年第2四半期の発行部数計画を変更する作成企業が増え、58%が発行部数を減らし、11%が発行部数を増やし、32%が変更をしなかった。

COVID-19 最近の郵便物の発行部数への影響(2020年3月9日~4月6日まで)、ndp | analytics 社 ACMA代理

 

雇用への影響

COVID-19の結果、多くの企業が従業員を削減した。カタログ発行者とサプライヤーの61%が従業員を解雇または自宅待機させ、17%が従業員の規模を拡大した。人員削減の平均は25%で、小規模企業(年収2,000万ドル未満)では39%、大企業(年収2,000万ドル以上)では19%であった。

COVID-19による企業の労働力の変化、ndp | analytics 社 ACMA代理

 

オペレーションの削減

カタログ発行者やサプライヤーの約半数(52%)がフル操業を維持し、残りの半数(48%)が縮小している。業務を縮小した企業の内、大多数は政府の命令により業務を縮小したが、残りの企業は自主的に業務を縮小した。10社中6社(61%)の大企業(年商2,000万ドル=20億円以上)が事業を縮小したのに対し、小規模企業(年収2,000万ドル未満)では33%でした。

COVID-19 の影響で事業を縮小した、または縮小しなかったカタログ発行者、ndp | analytics 社 ACMA代理

 

在庫への影響

COVID-19はカタログ発行者の在庫に影響を与え、その影響が非常に大きい場合もある。51.4%の発行者は在庫量に変更を加えていないが、20%は在庫を再利用しており、28.6%は需要に追いつけていない。大規模な発行者(年商2000万ドル以上)の37%が需要に追いつけていないのに対し、小規模な発行者(年商2000万ドル未満)の19%が需要に追いつけていない。

COVID-19 カタログ発行者の在庫への影響、ndp | analytics 社 ACMA代理

 

売上への影響

回答者の大多数がCOVID-19の結果として収益の減少を確認した。カタログ発行者やサプライヤーの60.4%が、2019年第1四半期と比較して2020年第1四半期の収益の減少を確認した一方で、33.3%の収益が増加し、6.3%が変化なしと報告した。COVID-19の危機がエスカレートするにつれ、より多くの企業が減収を実現した。また、ロックダウン下の最初の1ヶ月である3月9日から4月8日までの間、76%の企業が昨年同週と比較して収益の減少を見た一方で、22%の企業が収益の増加を実現したことが調査で明らかになりました。

2020年第1四半期と2019年第1四半期の収益の変化、ndp | analytics 社 ACMA代理

 

生き残り計画と復活計画

カタログ発行者やサプライヤーの半数以上(51.1%)が、現在のCOVID-19の状況下で少なくとも1年間は財務的に生き残れると考えている。一方では、37.8%が6ヶ月以下しか生き残れないと考えている(4~6ヶ月まで生き残れると考えているが、22.2%、3ヶ月以内しか生き残れないと考えているが、15.6%)。
中小企業(年収2000万ドル未満)では、大企業(年収2000万ドル以上)と比較して、6ヶ月以内しか生き残れないと考えている割合が高くなっています。

現在のCOVID-19の状況下で、企業が財務的に生き残れると考えている月数、ndp | analytics 社 ACMA代理

 

アンケート回答者のコメント

またACMAの調査では、自由回答として「COVID-19のパンデミックが過ぎ去り、通常の生活に戻った後、あなたのビジネスはどこにあると思いますか? 今、何が必要ですか?」と尋ねています。
ここでは、いくつかの注目すべき回答の抜粋をご紹介します。

シャッターを降ろして仕舞った実店舗をカバーするために、この期間、当社は強力なオンラインでの成長を目指すことにより、マーケティングアプローチと戦略を再評価する必要性を生み出しています。これは、従来の郵便に依存した手法とは全く異なるマーケティングにつながる可能性があります。インフルエンサーによるモバイルやソーシャルへの取り組みは、この時期の収益増加を牽引し続けています。

家にいる時間が長くなればなるほど、クライアントへの影響も長くなります。中には完全に消えてしまうクライアントもいるでしょう。米国郵政省の存続に関する不確実性は、郵便物への回帰を阻み、電子マーケティングへの移行を促進しています。私たちのクライアントのほとんどは、郵便(高価だが価値は高い)と、電子マーケティング(安価で価値は低い)を組み合わせたマーケティングで最善を尽くしています。

当社のクライアントの中には、ビジネスを継続できない方もいるかも知れません。一部のクライアントは、私たちとのサービスをキャンセルしています。私たちはそれらの関係を再構築しなければならないでしょうし、場合によって、それは無駄な努力かも知れません。

COVID-19に関連した新製品を投入し、ウイルスの影響で売れなくなった製品からの収益の減少を代替しました。

ACMAとは

ACMA (American Catalog Mailers Association) は、ワシントンを拠点とする非営利団体で、カタログ、ダイレクトメール、eコマースの企業が、個々の企業の利益を超えた影響力を共有できるように、規制、公共、行政上の問題に於いて、独自の集団的な利益を確立し保護しています。
ACMAは、単一の発言が集団としての影響力と有効性を高める重要なルールメイキングやその他の手続きに参加しています。詳細は www.catalogmailers.org をご覧ください。
ポール・ミラー氏は、ACMAの副社長兼副理事です。すべてのマーケティングとコミュニケーション、会員勧誘、協会管理を監督し、ACMAの会議とウェビナーの企画と監督を行っています。

 

By Paul Miller, ACMA
Published August 17, 2020
原文 Mail Volumes Plunge in the Age of COVID

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