紙ベースのプロセスは死んだ WhatTheyThink?

あなたのビジネスプロセスは、紙からソフトウェアに移行する必要があります。これはCOVID-19の前から重要なことでしたが、他のすべてのものと同様に、COVID-19はこの傾向を加速させました。紙はもはや有効なビジネスプロセスの媒体ではありません。

紙は印刷業界の重要な原材料です。お客様が伝えたいメッセージを「保持」するための媒体です。紙は、インクやトナー、ラミネートなどの受け皿として最適な媒体です。また、紙は印刷ビジネスにとっては、ビジネスプロセスの主要なツールとなっています。多くの印刷会社は今でも紙に大きく依存しています。例えば:

  • 工場内を移動していくすべての仕事(ジョブ)が保有する情報(チケット)。
  • プロセスを追跡する記録(ログ)。
  • 表計算ソフトやその他のアプリケーションからプリントされた計画管理けい(スケジュール)。

2020年には以下の理由から、紙はビジネスプロセスの媒体としては受け入れ難くなっています。

  1. 紙はネットワークにつながっていません。紙は一箇所に存在し、近くにいない人は見る(アクセスする)ことはできません。
  2. 紙は情報を書き込んだ瞬間に時代遅れになります。紙に情報を移して(例えば、仕事の情報を印刷して)、MISシステムでその仕事の情報(ジョブチケット)に変更を加えると、その紙情報はもう使えません。
  3. 紙では社会的な距離を置くことができません(COVID-19)。
  4. 紙媒体の情報では、スタッフの半数が在宅勤務することはできません(COVID-19)。
  5. 紙は適切なアクセス内容を制御することができません(紙にアクセスできる人はすべての情報が見えて仕舞う)。
  6. 一旦 情報を紙に印刷してしまうと、アーカイブ、検索、そして 再び情報にアクセスすることが容易ではありません。

私たちは印刷業界にあって、紙は私たちが非常に馴染んでいる媒体なので、それに過度に依存し、ビジネスプロセスのため、より良い媒体が存在していても、紙に依存し続けてきたのは驚くべきことではありません。

多くの印刷会社にとって、印刷された仕事仕様書(ジョブチケット)はいまだに工場の紙による「記録のシステム」です。これは変えなければなりません。本来はCOVID-19の前に変更する必要があったのですが、今こそ本当に変更しなければなりません。非製造スタッフは、全て もしくは部分的、あるいは永久的に、在宅勤務になっているかも知れません。従業員が同じ建物にいないと紙は機能しません。人々が同じ建物にいない時、紙は効率的ではありません。何年も前に私の同僚のジェーンと私が最初に訪れたのは、ジョージア州アトランタにあるBenson Integrated Marketing Solutions社でした。Benson社には、紙のカードシステムを使用した豪華な仕事のステータスボードがありました。Benson社では誰もが使い込んでいました(立ち上がってカードを見たり、カードを移動させたり、新しいカードを追加したりしていました)。これが健康に良いのは知っていますが(座っているのはよくない)、ビジネスには良くありませんでした。私たちは何年にも渡ってBenson社と協力してきましたが、その結果、紙ベースのプロセスから、真の意味での記録システムである印刷用MISへの完全な転換を実現しました。

Benson 社が COVID-19にどのよう対処したかを、想像し見てください。印刷用MISによって自動化されたレポートは、人間の介入なしに毎日/毎週、決められた間隔で情報を必要する従業員の全てに、送られていました。COVID-19が拡大し、従業員がリモートで仕事をするようになった時、必要なのはインターネットへのアクセスとブラウザだけでした。

彼らの信頼できる記録システム(Print MISシステム)は:

  1. 接続されている。
  2. 常に最新の状態である。
  3. 社会的な距離感を保つことができる。
  4. どこからでも仕事ができる。
  5. データへのアクセスを細かく制御することができる(人別にレベルを制御できる)。
  6. ビジネスに関するすべてのデータを容易にアーカイブ、検索、再アクセスを可能にします。

ビジネスプロセスを紙で実行することはできません。印刷ビジネスはあまりにも流動的で、分散しすぎており、データは紙ベースのシステムに閉じ込めておくには、無理があるのです。

正確なデータに適切な人が適切なタイミングで(容易に)アクセスできることは、大きな差別化要因となります。

この仕組みを構築するには、単にボタンを押すだけはなく、構築するためのプロセスを経ることが重要になります。その結果、迅速に、調整し、方向転換することができる印刷ビジネスが生まれます。2020年が私たちに何かを教えてくれたとすれば、私たちに向かってくるものを予測することはできないが、変化し続けることを、予測できるということでしょう。このような市場での最善の戦略は、変化に可能な限り備えておくことです。紙が一番得意とすることを続けましょう。例えばシャワーを浴びても大丈夫なラベル、雨に降られても大丈夫な看板、価値を伝える分厚い名刺など、沢山あります。しかし、ビジネスプロセスに紙を使うのはやめましょう。それはもはや、そのビジネスの課題に対して、適切なメディアではありえないからです。

 

By Jennifer Matt
Published October 28, 2020
原文 The Death of Paper-Based Processes

関連記事

ログイン

ピックアップ記事

  1. 全世界の印刷、パッケージ関係者が会うと、大抵こんな話になる: 「今まで何回drupaに参加しまし...
  2. 2023年は記録上最も熱い夏となったが、2024年はさらに暑くなりそうだ。
  3. デジタル印刷はワークフローを進化させる。
  4. 印刷工程の自動化とデジタル化は必須である。
  5. 段ボール業界におけるデジタル印刷の変革は、何年もの間、実現することを待ち望んでいました。
  6. Xeroxがdrupa 2024の出展を取りやめるとのニュースを受け、欧州担当編集者のRalf Sc...
  7. Keypoint Intelligenceは、企業のダイレクトマーケティング活動が、時代とともに...
  8. 2.デジタル後加工(加飾)と軟包装デジタル分野の潮流としては、先述の他に新たな業容拡大の方向性が...